自作マグカップ オリジナルマグカップ の技術情報を載せています。
マグカップへの熱転写の技術情報並びに印刷と熱転写装置までの操作方法について
昇華インク印刷に適したプリンターについて 熱転写の前準備段階である昇華インクの取り扱いであるが、市販される詰め替えインク(互換インク)を取り扱ったことがある者にとってはそれほど難しくはない。 気を付けなければならないのは昇華インクは純正の顔料・染料インクなどと違い、印刷ノズルが大変詰まりやすい性質を持っている。 また、熱によって変質したり凝固するのでキャノンプリンターに多いサーマルジェット(バブルジェット)のプリンターには利用できない。 ノズル径が大きく、インク射出形式がピエゾ方式のエプソンやブラザーのプリンターが昇華インクによる印刷に適している。 多少型遅れのプリンターでも昇華インク印刷は可能だが、昨今のプリンターの低価格化で新規購入しても初期コストは1万円以下から可能である。 昇華インク印刷の実績も幾つかあることからエプソン・カラリオシリーズのPX-101が価格的にもお勧めである。 |
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インクカートリッジの入手とプリンター取り扱いについて エプソン・カラリオシリーズのPX-101ではインクカートリッジ形式は46番となっており純正インク型番はIC46で電気店などで売られている。 もちろん昇華インクではないので転写には使用できない。 プリンターの性質上純正インクを売るためにインクカートリッジにはインク残量管理と銘打って純正カートリッジ以外は使用できないように認識するチップが付いている。 それを回避するために互換インクなどでは純正チップと同等な機能を持ったチップが付いている。 他にも純正チップをリセットするチップリセッターという装置やチップ単体でリセット機能を持ったオートリセットチップ(ARC)などがある。 いずれにしても純正インクを使用しているとプリンターを騙す為の工夫が必要なのだが、最も重要なのは インクが充てんされていない空のインクカートリッジ(バージンカートリッジ)を用意しなければならないという事である。 昇華インク・バージンカートリッジ・純正もしくは互換チップ。この3つが揃って初めてプリンターからの出力が可能となる。 |
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昇華インクのカートリッジへの充填作業とインクカートリッジの取り扱いは詰め替え方式の互換インクと同じである。 充填・取り扱い方法はネット上に技術情報が沢山あるので割愛するが、カートリッジの空気穴の重要性はバカにならない。 インクが出なくなったからと言って蓋を開けて印刷するとインクがドバドバ出てきてしまうミスが何度もあった。 逆にゴム栓で完全に密閉した状態だと途中から出なくなる事もしばしばで思うように印刷するにはかなりの試行錯誤と慣れが必要である。 |
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追加情報 アルコールは顔料系のインクには良くないという情報もあります。ご注意を!! 印刷については転写なので鏡像(左右反転)印刷をしなければならないのは当然であるが、用紙も転写用紙と呼ばれる昇華インク専用のものが必要である。 また、プリンター使用後、長期に渡って使用しない場合はノズルが閉塞しないようにインクを抜いておかなければならない。 この場合もバージンカートリッジに洗浄液を詰めて印刷すればよいのだが洗浄液は何が適切なのかは不明である。 ただし、昇華インクは水性なのでただの水か無水アルコールで大丈夫であると予測できる。 今回は無水アルコールをカートリッジに詰めてノズルクリーニングと洗浄印刷を行ったが作業中は火気厳禁である。 他には顔料・染料インクのクリーニングに花王のマジックリンが良く効くとの情報が当ページ管理人の元に寄せられました。 ネットで検索すると確かに効果絶大なようです、ただしプリンターヘッドを分解しての洗浄ともなるとプリンター機種によっては難易度が格段に上がるので技術を持った人以外は手を出すのはやめた方が無難である。 このページの下に分解方法を解説したFLASHを用意したのでチャレンジしたい方は参照してください。 お勧めの洗浄方法は注射器に自転車の虫ゴムを付けて片方をプリンターインク取り付け部のノズルに差し込み、洗浄液を出し入れすると言う方法である。 市販されているプリンターヘッドの洗浄液は実はマジックリンという事実は書いてはいけないのかもしれないが、知っていて損はない情報です。 |
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転写用紙の取り扱い 転写用紙は日本でも2000円前後で入手可能であるが、昇華インクによる転写専用用紙なので一般に販売はされていない。 アマゾンなどで見かけるアイロン転写用紙などは全て使用出来ないので注意が必要。 今回は株式会社サンリュウでA4用紙200枚入りを購入した。 薄手タイプの転写用紙なのだが表裏の違いはかなり微妙で間違ってしまう可能性がある。 次に機会があるのなら裏に認識文字がある表裏認識が容易な厚手タイプを購入したい。 転写用紙は湿気に弱く劣化しやすい、ジップロックのような密閉できる袋に入れて乾燥剤を同梱して劣化を防がなければならない。 ジップロックはともかく適当な乾燥剤がすぐには思い付かなかったが、靴や靴下の乾燥・押入れ乾燥など塩化カルシウムのような吸湿剤が安価でおすすめである。 転写用紙の取り扱いについてはそれくらいであるが、印刷後は完全に乾燥させてから転写工程に進まなければならない。 なお、熱を加えての乾燥はインクの性質上好ましくない。 追加情報 エプソンのスーパーファイン用紙に出力したものも転写出来るとありましたが未確認です 転写用紙への印刷設定はスーパーファイン用紙→(きれい)設定でも良いが、詳細設定を選択し 印刷詳細でLEVEL4の綺麗側に選択、双方向印刷のチェックを外すと更にきれいに印刷可能 詰まりやすいインクなので何度もトライ&エラーが必要 |
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熱転写工程 最終工程の熱転写であるが、こればかりは運や熟練度が作品の出来上がりを左右する。 重要なのは転写温度・転写時間・転写圧力である。 温度が高すぎたり低すぎるとインクの発色がおかしくなり狙った通りの色に昇華しない。熱不足は転写不良を起こす。 転写時間も温度と同じく長すぎると発色不良、短いと転写不良である。 最も説明しずらいのは転写圧力であるが、これは固定レバーのネジで調整できる。しかし最適な設定は作業者の勘でやるしかない。 強すぎず弱すぎず、トライ・エラーを繰り返し最適な力加減を自力で見つけなければならない。 幸いにも市販されていたり輸入されるヒートプレス機には温度と時間、圧力の設定が可能なので一度決まれば後は自動的に一定品質で量産できる。 |
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他に重要なのは転写される側のマグカップの質である。 昇華インクの熱転写に必要なポリエステルが塗布されているのだが、塗布が不均一であったり形がゆがんでいると正確な転写は難しい。 表面の汚れや傷も作品の出来を左右する。 |
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マグヒートプレス(熱転写機)取り扱い方法。 マグカップ表面の埃を払い、歪みなどがないかチェックする。 転写用紙に印刷された物を十分乾燥し、マグカップに巻き付ける。 転写用紙は出来るだけぴったり巻きつけてしわなどが無いように注意。 転写用紙の固定は必ず200度以上の耐熱性があるテープを使用する。 |
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マグヒートプレス機取扱い方法 マグカップへの熱転写は半自動で行われる。電源投入から各MODE設定、熱転写シーケンス完了まで簡単に解説をする。 |
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初期温度設定(暖気運転) 初期温度設定範囲 200F°〜380F°(93.3〜193.3℃) マグヒートプレス機の電源を投入し基本温度(初期設定温度)を設定する。 MODEボタンを一回押すと初期設定モードに入る。左右ボタンで温度を設定する。 表示される温度は全て華氏(F)であるので間違えないように注意。 便宜上で基本温度と表現したが、ヒートプレス機の電源を投入した後に設定される暖気モードの温度調整モードである。 |
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転写温度設定 転写温度設定範囲 200F°〜430F°(93.3〜221.1℃) 基本温度設定からもう一度MODEボタンを押すと転写温度の設定が出来る。 表示される温度はやはり華氏(F)表示である。 当然の事ながら、基本温度<転写温度の設定しかできないので注意。 |
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転写時間設定 熱転写時間設定は0〜999秒 転写温度設定から更にMODEボタンを押すと転写時間の設定が出来る マグヒートプレス機は熱転写シーケンスが実行されると自動で熱転写温度まで昇温し、設定温度に到達すると転写時間をカウントしつつその温度を維持する。 熱転写温度到達→転写時間カウント→基本温度へ降温という一連の作業が自動シーケンスで行われる。 初期温度設定範囲 200F°〜380F°(93.3〜193.3℃) 転写温度設定範囲 200F°〜430F°(93.3〜221.1℃) ただし、熱転写温度は初期設定温度以下には設定できない 逆に熱転写温度設定より高い値を初期設定温度に設定できない。 |
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ステータスモード(実行モード) 転写時間設定からもう一度MODEボタンを押すと、現状の転写面の温度が華氏で表示される。 何もしなければ勝手に初期温度設定を維持し続ける。 右端の□が印刷されたボタンが実行キーである。 ステータス表示がされている状態で実行キーを押すと熱転写シーケンスが実行される。 シーケンスが終了すれば自動的に基本温度へ戻る。 |
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実際の設定数値とイメージグラフ 基本温度設定に暖気されていることを確認し、転写用紙を巻いたマグカップをセット、セットレバーで加圧固定。 MODEボタンを押してステータスモード(実行モード)にする。 実行ボタンを押して熱転写シーケンス開始 熱転写シーケンス終了後はゆっくりと基本温度設定まで戻りますが、実際はシーケンス終了したらセットレバーを解除して取り出してしまいます。 この手順が良いか悪いかは未確認です。 |
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実際に行った推奨設定 初期設定温度を250F°(121℃) に設定し、最高転写温度を330F° (165.6℃) 40秒に設定。 マグカップはホコリや傷が無い事を確認し、転写用紙をピッタリと貼り付ける。 テープは耐熱テープを準備してください、ビニールテープや糊などは焼けて変色の原因となります。 転写圧力は人力です、ちょうど良い圧力を模索しなければなりません。 追記 他の技術情報の中には転写温度が180〜200℃で1〜2分間という記述もあります。 今回の転写温度についてはマグプレスマシンに同梱されたマニュアルに沿って記述と転写をしています。 マニュアル文と独自のいい加減な翻訳はこちら 紙が変色したりくっついてしまう場合は、温度が高すぎるか締め付けすぎです。 320F゜でも転写は可能ですが、転写時間を10秒くらい長くしたりと工夫が必要です。 |
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アフィリエイトとリンクたち |
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PX-101分解方法
PX-101は最も低価格で昇華インク印刷が出来る機種である。同時にノズルが詰まりやすいので分解クリーニングの必要性に迫られる場合がある。
この機種に関わらず分解後のクリーニングについては情報が沢山あるので各自が検索などで調べてください。
今回は注射器・マジックリン・自転車の虫ゴム・超音波洗浄機・ティッシュなどを用意しました。